コンタクトレンズで起こる眼障害

一説にはコンタクトレンズ使用者の10〜15%が何らかのトラブルを経験しているといわれています。
結膜炎や角膜上皮障害が一般的ですが、それら以外に慢性的な酸素不足で起こる角膜障害もあります

結膜炎、角膜びらん、角膜浸潤などは充血、疼痛ですぐに気がつき、治療を開始することができます。
ただし、アメーバー、角膜潰瘍などはなかなか改善せず、視力障害を残してしまうこともあります。



■角膜浸潤

角膜血管新生の写真
何度も繰り返し角膜上方の炎症を起こしています。
角膜の白く見えるところが角膜が溶けかかっているところです。

角膜血管新生、角膜内皮障害は不適切なコンタクトレンズ使用(角膜の酸素不足)をすることで起こります。

■角膜血管新生

角膜血管新生の写真 角膜血管新生の写真
上方の結膜血管が角膜に侵入しています。上方に症状の出やすいレンズもあります。
この場合、レンズの銘柄を変えたほうが良いと思います。
7時の位置に血管侵入を認めます。同部位に軽度の混濁も認めます。症状が進むと、角膜の輪郭がぼやけて、角膜が小さく見えるようになります。


■角膜内皮障害
 角膜には血管がありません。だから角膜は透明です。筋肉、内臓、皮膚等は血液から酸素、栄養を得ています。角膜は目の中の水(房水)から角膜内皮細胞を介して酸素、栄養を得ています。コンタクトレンズの不適切な使用で角膜の酸素不足が起こると、角膜内皮細胞の密度が減少します。角膜内皮細胞は一度減少すると二度と再生しません。最悪の場合、角膜がすりガラス状になり見えなくなってしまいます。

正常者の角膜内皮細胞写真 軽度障害された角膜内皮細胞の写真 中等度から高度に障害された角膜内皮細胞の写真
角膜内皮数3105個/o2の内皮撮影です。正常の内皮は六角形の細胞がこのように規則正しく並んでいます。 角膜内皮細胞数2375個/o2です。細胞の大きさが不揃いになり、いびつな形の細胞が増えています。 角膜内皮細胞数1162個/o2ですかなりきびしい状態で、一般的にはコンタクトレンズ使用を中止しなければなりません。